「審美歯科」という言葉をご存じですか?

これは’COSMETIC DENTISTRY”あるいは”ESTHETIC DENTISTRY”を和訳したもので、「小麦色の肌と白い歯」がステイタスとされる国、アメリカで誕生した歯科分野です。

審美歯科の目的は「見た目を自然に美しく治療する」こと。

「白く、盤った歯並びになりたい」という夢を叶えるのは、「審美歯科」のテクニックを熱知した歯科医です。

北米五OO万人以上が体験した「歯の漂白」

世界有数の多民族国家アメリカでは、実生活上、言葉以外にあらゆる人種に共通する何らかの友好のサインが不可欠です。

それが「スマイル」であり、そのサインは「白い歯」でさらに強調されることになります。

「審美歯科」という概念は、「輝くばかりの白い歯と、スマイル」の重要性がしっかり認識されている国、アメリカで誕生しました。

大学の研究室から生まれたものではなく、患者の要望に応えた開業医たちによる知識の集大成といえるでしょう。

人々のニーズによって生み出されたこの「審美歯科」が、圧倒的に支持されているのは当然のことかもしれません。

スーパー・モデルといわれる女性たちは無論のこと、無名に近いタレントまでが、一人残らず白く美しい歯で、魅力をふりまいています。

現在アメリカで発行されている人気雑誌のなどには、歯を美しくするための記事が頻繁に掲載され、そのコーナーは審美歯科医の独壇場といえるほどです。

一般の人々の歯に関する意識はかなり高く、「スーパー・ナチュラル」といわれる笑顔が求められています。

現在のアメリカはブランド物がステイタス・シンボルという時代が終罵し、「いかに健康であり、それを維持できる生活環境にあるか」が、ステイタスとなる時代に突入しています。

それは世界一富める国として、豊富な資源と物資を消費し尽くした末の結論かもしれません。

また、人間性の評価として、誘惑をはねのける知性と意志の力が重要視されています。

そうした社会環境では「健康で若々しく見えること」が好印象につながります。

口元に関しては「白い歯と、歯並びの良さ」イコール「育ちの良さ」と見なされ、逆に歯が変色していたり歯並びが悪い人は、受け入れがたい人物と判断されてしまうのです。

その証拠に、一般の診療所で「ホワイトニング:歯の漂白」が開始され、わずか五年で北米の五OO万人以上がこの治療を経験したそうです。

アメりカでは人口の八O%(一八歳以上)にムシ歯がないという統計があり、歯科医は審美歯科の治療法を習得しなければ、診療所の経営にも支障をきたすと
いわれるほEです。

日本人と「白い歯」「歯並び」

わが国の状況を見てみましょう。

現在の日本歯科医師会は、「八O二O」を標語にキャンペーンを展開している最中です。

「八O歳になったとき、自分の歯が二O本は残るように口腔管理をしましょう」という意味で、時折新聞にもCMとして掲載されています。

いまだに日本では「ムシ歯の治療や歯槽膿漏を、早めに治療なさい」という趣旨の運動が必要だからです。

ちなみに、ADA(米国歯科医師会)の標語は「スマイルアメリカ」。

アメリカと日本のレベルの違いをまざまざと感じさせられます。

日本人は欧米人と比較すると「スマイル」に対する関心が薄く、自信も感じられません。

その原因は「口元」にあります。

欧米の歯科医たちは冗談めかして、「こんなにたくさん患者がいるのだから、日本の歯科医は大金持ちだろう」と言います(実際は比較にならぬほど彼らのほうが裕福なのですが…)。

日本人の多くは「口元の美しき」、「輝くばかりの白い歯」の魅力に目を閉じているように思えてならないのです。

少なくとも社会現象の起きる一九九六年までは、そうとしか思えぬ状況でした。

しかし、汚れて黒ずんだ歯や歯並びの悪さは、知らず知らずのうちに笑顔をくもらせ、コンプレックスを生み出すことさえあります。